笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
陽泉の彼氏らしい人と言うのは、きっと吉田祐介くんのことだろう。

その吉田くんが他の女の子とキスをしているのを見て、ショックを受けた陽泉。
そして、その陽泉の心の隙をついて、彼女と契約をした俺。
…サイテーなやり方で、彼女を抱いたんだな。
しばらくは、陽泉と吉田くんの間も微妙だったはずだが、彼が陽泉を迎えに来たと言うことは、よりが戻ったのだろうか?
詳しい話は、青山に聞くしかないらしい。

その青山と、ゆっくり話をすることが出来たのは、水曜日の昼休憩だ。
陽泉はその日、弁当を持ってきていたため、うまく青山だけを誘うことが出来た。
青山にも、俺の知りたいことが分かるらしい。
その日のランチはそば屋で、天ざるそばを2つ注文すると彼女の方から教えてくれた。

「陽泉ね、吉田さんに"もう一度、ちゃんと付き合って欲しい"って言われて"うん"って答えたって。
まぁ、それに至るまでにいろいろあってね…」

青山の話は、小野や平山に聞いたことと同じだった。
知り合いの女の子たちが陽泉のことを悪く言っているのが許せなくて、吉田さんは陽泉の大切さに気付いたらしい。

「陽泉、佐々木くんともちゃんと話をするって言っていたから、聞いてあげてね。佐々木くんにしたら、いい話じゃないかも知れないけど」
最後は青山に、そう言われた。


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