笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
今日も、田村さんと郁海が練習試合のため、私と彩菜ちゃん、そして紗英ちゃんは愛美先輩のお宅にお邪魔して、女子会を楽しんでいる。
…いや。女子会を楽しもうとしながら、ちびっ子モンスターの相手をしている。
そして、やっと落ち着けたのは、2人のかわいいモンスターたちが昼寝をした時。

「ふぅ。やっと寝てくれたよ。待たせちゃってごめんね」
そう言いながら寝室から戻ってきた愛美先輩は、慈愛に満ちた表情をしている。いつも、"これが母親の顔なんだ"と感じる優しい顔。

「お疲れ様でした。アップルティー、いれてありますよ」と紗英ちゃん。
「スゴイ!やっぱりスゴイ!ホントにママって、スゴイですね」と彩菜ちゃん。
愛美先輩も席について、やっと4人でゆっくり話が始まる。

「郁海くんからメールがきて、2試合目も勝ったそうです」
「そっか、良かった。
そう言えば陽泉。今日は中学校はいいの?」
「うん。今日は普通の練習だから、祐介と麻生先生にお願いしてきた。
練習メニューは、祐介と拓海の2人に書いて置いてきたから」
「そうなんだ。陽泉も大変だね」
「ホント!会社の仕事に、中学のバスケ部の外部コーチなんて…」

そう…
私は昨年の春から、拓海の通う中学校でバスケ部の外部コーチを引き受けていた。
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