笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~


「稜が、俺の元にいると聞いた梢が東京に来たのは、それからすぐのことです。
梢本人も言ってますが、兄の俺から見ても、梢の稜への想いはすぐに分かりました。
俺は稜に、『彼女はいるのか?』と聞きました。稜は、『彼女はいないけど、好きな人ならいる』と言いました。
『たぶん両想いだけど、今は付き合えない。だけど、彼女が"運命"の相手なら、3年後の夏に会えるはずだから』とも、言いました。
その時は意味が分かりませんでした。
だから、俺は稜に『だったら梢と付き合ってくれないか?もし、"運命"の人と"再会"出来たときには、梢と別れてもいいから』と頼みました。
"もしも"の時に、梢がゴネルのを分かっていたんでしょう、なかなか稜は首を縦に振りませんでした。しかし、梢からの強引なアタックに根負けして、付き合ってると言う形になりました。
そして、稜の言う"3年後の夏"が今年です。
稜は、先程の陽泉さんの弟の拓海くんが、この全国大会に出場すると信じていたんでしょうの。そしてもちろん、それに陽泉さんもついて来ると。
だから、『彼女が"運命"の相手なら、3年後の夏に会えるはずだから』と言ったんです。
実際、2人は再会しました。2人がどんな話しをしたか…、あるいは、まだ話しをしていないのか、私には分かりません。


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