笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「はい。決勝戦で戦えることを、楽しみにしています」
俺はそう言って、悟さんに右手を差し出した。
「あぁ、こちらこそ楽しみにしているよ」
悟さんもそう言って、俺の右手を力強く握った。
これで、この件についての話は終わり。
そう思ったのは、男性陣だけのようで、愛美さんと紗枝ちゃんは、俺たちとはまた違う思いがあるようだった。
口火を切るのは紗枝ちゃんだ。
「ねぇ梢さん。
さっき陽泉のことを"ちょっとかわいい、バスケが上手いだけの女の子"って言っていたけど、どうしてあなたにそんなことが分かるの?
確かあなた、小学校3年生で転校してから、陽泉とは会っていないはずだよね?
なのに、どうして?」
「……………」
紗枝ちゃんの問いに黙ったままの梢に、今度は愛美さんが言う。
「陽泉は中学·高校と、友達だと思っていた人からそう言われる度に傷ついていた。今も、トラウマを抱えるほどに」
「……………」
「彼女が学生時代に信頼してくれていたのは、私だけだったと思う。
そう言い切ることが出来るほど、陽泉の学生時代は、女の子の友達がいなかった。いや、男の子の友達もいなかったな。陽泉自身が、男の子は寄せつけなかった。女の子たちに妬まれて、陽泉本人がイヤな思いをするから」
「……………」
俺はそう言って、悟さんに右手を差し出した。
「あぁ、こちらこそ楽しみにしているよ」
悟さんもそう言って、俺の右手を力強く握った。
これで、この件についての話は終わり。
そう思ったのは、男性陣だけのようで、愛美さんと紗枝ちゃんは、俺たちとはまた違う思いがあるようだった。
口火を切るのは紗枝ちゃんだ。
「ねぇ梢さん。
さっき陽泉のことを"ちょっとかわいい、バスケが上手いだけの女の子"って言っていたけど、どうしてあなたにそんなことが分かるの?
確かあなた、小学校3年生で転校してから、陽泉とは会っていないはずだよね?
なのに、どうして?」
「……………」
紗枝ちゃんの問いに黙ったままの梢に、今度は愛美さんが言う。
「陽泉は中学·高校と、友達だと思っていた人からそう言われる度に傷ついていた。今も、トラウマを抱えるほどに」
「……………」
「彼女が学生時代に信頼してくれていたのは、私だけだったと思う。
そう言い切ることが出来るほど、陽泉の学生時代は、女の子の友達がいなかった。いや、男の子の友達もいなかったな。陽泉自身が、男の子は寄せつけなかった。女の子たちに妬まれて、陽泉本人がイヤな思いをするから」
「……………」