笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
笑顔の行方
大会最終日。
準決勝に勝ち、決勝戦に駒を進めることが出来た。その決勝戦の相手は、予想通り富士中だ。
今は1時からの決勝戦に向けて、軽食を食べたり、足を冷やしたり、それぞれに過ごしている。
そんな中、私は梢ちゃんに声をかけられた。
「陽泉ちゃん、ちょっとだけいいかな?
どうしても決勝戦の前に陽泉ちゃんと話がしたいの」
私は麻生先生と祐介に言って、梢ちゃんについて歩いた。
梢ちゃんは会場内の自販機前に来ると
「陽泉ちゃん、カフェオレでいい?」と聞いてきた。
「いいよ、梢ちゃん。
私、自分で買うから」
そう答えると、梢ちゃんはちょっと淋しそうに、
「そっか、そうだよね」と言って、自分の分のカフェオレを買った。
続けて私は、自分の抹茶オレを買う。
「この前はごめんなさい。陽泉ちゃんを傷つけることを言ってしまったみたいで…」
梢ちゃんはそう言って、私に頭を下げた。
私は、「…うん」とだけ答える。
もっと私が大人だったら、『ううん、大丈夫だから気にしないで』とか言ってあげられたのだろうけど、あいにく私はそこまでの大人じゃない。
学生のころからのトラウマは根深く、その言葉を聞くと、今だに深く傷つくのだから。
私の様子を見て、梢ちゃんもそれを察したのだろう。
「私ね、陽泉ちゃんが羨ましかったの」
そう言い出した。
準決勝に勝ち、決勝戦に駒を進めることが出来た。その決勝戦の相手は、予想通り富士中だ。
今は1時からの決勝戦に向けて、軽食を食べたり、足を冷やしたり、それぞれに過ごしている。
そんな中、私は梢ちゃんに声をかけられた。
「陽泉ちゃん、ちょっとだけいいかな?
どうしても決勝戦の前に陽泉ちゃんと話がしたいの」
私は麻生先生と祐介に言って、梢ちゃんについて歩いた。
梢ちゃんは会場内の自販機前に来ると
「陽泉ちゃん、カフェオレでいい?」と聞いてきた。
「いいよ、梢ちゃん。
私、自分で買うから」
そう答えると、梢ちゃんはちょっと淋しそうに、
「そっか、そうだよね」と言って、自分の分のカフェオレを買った。
続けて私は、自分の抹茶オレを買う。
「この前はごめんなさい。陽泉ちゃんを傷つけることを言ってしまったみたいで…」
梢ちゃんはそう言って、私に頭を下げた。
私は、「…うん」とだけ答える。
もっと私が大人だったら、『ううん、大丈夫だから気にしないで』とか言ってあげられたのだろうけど、あいにく私はそこまでの大人じゃない。
学生のころからのトラウマは根深く、その言葉を聞くと、今だに深く傷つくのだから。
私の様子を見て、梢ちゃんもそれを察したのだろう。
「私ね、陽泉ちゃんが羨ましかったの」
そう言い出した。