笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
『コーチ、麻生直樹。
アシスタントコーチ、吉田祐介。
マネージャー、小野陽泉。
4番、小野拓海。
5番、………』
選手たちは名前を呼ばれて立ち上がると、コーチ3人とタッチしてからコート中央にエンジンを組んで行く。
『18番、………』
最後の選手が名前を呼ばれ、エンジンに加わると

「この試合も絶対に勝つぞ!」
と言う拓海の掛け声に、
「「オー!!」」
と答える14人の仲間たち。

気合いが入ったところで、女子の紹介を聞いてから試合が始まる。
スタメン5人が整列し、
「「よろしくお願いします」」
両チームが挨拶してジャンプボール。
サークルに立つのは、もちろんセンターの寛貴だ。195㎝ある彼が、ジャンプボールで負けるのを見たことがない。
相手センターも同じくらいあるが、やはり勝ったのは寛貴。いつも通り拓海に落とす。そして、そのままゴール前に走る昴にパスを出そうとするが、やはり相手に読まれていて、昴にはしっかりマークがついている。拓海はパスをやめてドリブルを開始する。寛貴も、すぐにポジションにつく。
そんな中、拓海が選んだのは自らドライブで切り込むこと。もちろん、相手もマークについていたが、フェイントでかわすと、そのままトップスピードでレイアップを決め、先取点をあげた。

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