笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
次はディフェンスである。
うちのディフェンスは、ハーフコートマンツーマンで、7番の肇が相手のガードに、8番の真治が相手のセンターに、がっちりマーク。他の3人も、それぞれマークにつく。
オフェンスも、ディフェンスも、いつも通りに行う。どんな相手でも、いつも通りのバスケットでぶつかって行く。それが万が一、相手にリードを許したときに、逆転への布石になるからだ。

前半は34対36で2点のリードを許した。
3Qは踏ん張り所である。
ここでもいつも通り、9番の翔太と10番の圭吾を入れて、まずは肇と真治を休ませる。
3分を過ぎたところで、肇と真治を入れて、昴と寛貴をベンチに下げた。
ラスト2分を切ったところで、今度は昴と拓海を交代する。
こうして3Qは、スタメンの5人を交代で休ませているが、その代償として点差が開いた。
48対58。10点差である。
だけど、まだ諦めない。
諦めるわけには行かない。

4Qは昴·肇·真治·翔太·圭吾の5人でスタートした。開始1分でタイムアウトをとり、翔太と圭吾を下げ、拓海と寛貴を入れベストメンバーに戻す。
そして、逆転するための指示を出す。
試合前にも言っておいたポジションチェンジである。
練習試合で試したことはあるが、公式戦では見せたことのない布陣なので、富士中にも知られていない布陣だ。


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