笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
相手陣内から激しいディフェンスでボールを奪いに行く拓海たち。
ボールを持つ相手に2人でプレスに行く。
厳しいプレッシャーに、相手がパスミスをしてくれた。
すかさずボールを持った肇が、きっちりとレイアップを決め2点差に。
残り2分強で2点差になったところで、富士中がタイムアウトをとった。

ベンチに引き上げてきた拓海たちを座らせ、水分補給をさせる。
ここまで来たら、指示することはない。
ただただ、最後まで頑張り抜いてほしい。
麻生先生も、祐介も、何も言わない。
拓海がポツリと、
「姉ちゃん。絶対に逆転して優勝するから!」
そう言うと、しっかりと力強く頷いた4人のメンバー。
真治·圭吾が、
「俺たちの分も頑張ってくれ!」
「みんな!しっかり応援するぞ!」
そう言って、ベンチメンバーは最後の応援を始めた。

「時間です」
審判の声に、お互いハイタッチをしてコートに戻る5人。
しっかりと前から、マンツーマンのディフェンス体勢だ。
エンドラインからパスが出る。
セオリー通りガードにパスが渡り、ドリブルで進む。その前に拓海が立ち、厳しくチェックする。
センターラインを越えると、拓海たちは右サイドに寄るのに対して、他のメンバーは左に避けて、完全な1対1の勝負を演出する。

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