笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
この勝負、チームの勝敗にも大きく響いてくるだろう。
わざとバックボードに当てるだけのシュートを打たせ、24秒の制限時間を作った。
ガード同士、そしてキャプテン対決だ。

ドリブルをしながら右に左に揺さぶりをかける相手に対して、どっしりと構え、相手をじっと見ながらディフェンスをする拓海。
相手はフェイントをかけて拓海を抜くが、拓海はまたすぐに相手の前に構える。
少しつづゴールには近づいているが、同じように時間も迫る。
いよいよ10秒を切り、痺れを切らした相手はロングシュートを放った。
ゴールまで届くことなく落ちるボールをキャッチしたのは真治。今はガードに位置する寛貴にパスを出す。

戻る相手は、ハーフからのディフェンスで、キャプテンだけを右サイドに残し、残りは左サイドに避けている。先程とは攻守が入れ代わった形である。
寛貴はボールを拓海に預けると左に寄った。
ボールを持った拓海は、トップスピードでドリブルを始めると、相手を抜いて零度の位置からシュートを打った。
そのボールは、そのままゴールに入った。
残り1分15秒で1点リードである。

その後は総力戦である。
お互いに1ゴールづつを決めて、拓海がボールを持ちドリブルをしてセンターラインを越えたと同時に試合終了のホイッスルが鳴った。
拓海はゴールに向かいボールを投げた。






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