笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「なぁ陽泉。そんなに締めつけるなよ。
俺、3年ぶりだからヤバイんだ」
そう言いながら、ゆっくり動き出す彼。

「えっ? 3年ぶり?」
問い返すと、

「そう。最後に陽泉を抱いてから、他の誰ともシてない。
もちろん、梢とも…。
あの時から、俺には陽泉だけだから…」
動くスピードを上げて、私のポイントをついてくる。その上、胸を刺激してくるから堪らない。
たぶん、彼と一緒に絶頂を迎えた私は、そのまま意識を手放した。


気がついたのは翌朝。
目が覚めると、隣に寝ている彼が優しい眼差しで私を見つめていた。

「おはよう陽泉。身体は大丈夫か?」
心配そうに声をかけてくる彼に、
「佐々木くん、おはよう。うん、大丈夫だよ」
そう答えると、彼に苦笑いされた。

「陽泉さぁ、いつまで俺のことを"佐々木くん"って呼ぶの?
俺、お前の彼氏じゃないの?
出来れば昨夜みたいに"リョウ"って名前で呼んでほしいな」

「えっ…と。稜…くん」
ためらいがちに呼んだ私に、
「なんだよ。呼び捨てにするのは、エッチするときだけか」
なんて言いながら、私の左手を不意に握った。
そのうち、薬指に違和感を覚え、そっと見てみると、そこにはキラリと輝くエンゲージリングが。

驚く私に、
「陽泉。
今度は、もう離さないから。一生、俺のそばにいてくれ」
そう言って、強く抱きしめてくれた。

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