笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
その日見たデザインには、バスケットのユニホームもたくさんあった。
ミニバスだけじゃない。
中学·高校·大学…。そして、ファイターズのユニホームも、四つ葉がデザインしたものだった。
それらを見ていたら、無性にバスケがやりたくなった。

家に帰ったら郁海がいた。
今日は拓海の練習の日。
お母さんは拓海を体育館まで送って行ったらしく、お父さんはまだ仕事から帰らない。

「郁海。今日ヒマ?」
「何?どっか行くの?」
「うん。体育館。
バスケやりたくなっちゃって。
付き合ってくれない?」
突然すぎた私の誘いだけど、
「いいよ。
俺も久々にやりたいし」
そう言ってくれた。

すぐに動きやすい格好に着替えて、タオルとスポーツドリンクとバッシュを持ち、郁海の運転する車でミニバス練習中の体育館に向かった。

体育館に着いたのは、7時ちょっと過ぎ。
ミニバスの練習は、平日は月·木で6時から8時半まで。
3年生以下の子は。基本7時半までとなっていて、それを迎えに来ていた父兄がたくさんいた。
そんな中、ここにないはずの車を見つけた。

「佐々木くんの車?」

「なに、姉ちゃん?
知り合いの車?」
郁海に聞かれて、

「あっ、うん。
選抜で、原田さんと一緒に審判をやっていた人。
同じ会社なの」

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