笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~

  裕介からの告白

みんなが体育館を出てから、忘れ物がないかを確認して、電気を消して鍵を閉める。
月曜日の今日は、男子の部長である我が家の担当である。
月·土が男子、木·日が女子と担当が決まっている。これは、私がキャプテンをしていた頃からだから覚えている。

「お疲れ様でした」
女子のキャプテン·大野さおりちゃんのお母さんに声をかけられた。

「お疲れ様でした」
私と郁海も挨拶を返した。

「稜も、陽泉も、郁海もお疲れさん。
またいつでも、拓海たちの相手をしてくれ!」
田村さんに言われて、

「分かりました。
陽泉、郁海くん。なるべく合わせて来よう」
佐々木くんが、前半は田村さんに、後半は私と郁海に向かって答えた。

「はい!
俺はいつでも大丈夫だから、稜さんと姉ちゃんの都合のいいときに声をかけてください」
郁海が言う。
いつの間にか、佐々木くんのことを"稜さん"と下の名前で呼んでいる。

そうしている間に、郁海の携帯がなった。
「母さんからだ」
そう言って電話に出る。

私もマナーモードにしていた自分の携帯を見た。

約1時間の間に、着信3件にメールが2件。
最後の着信が母からで、残りの着信とメールは裕介からだった。

メールを確認してみた。



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