笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「裕介さん。
姉ちゃんは明日も仕事なんで、早めに送ってきてくださいね」
「分かってる」
「もし裕介さんがお酒飲むなら、俺に連絡してください。俺が姉ちゃんを迎えに行きますから」
「郁海は飲まないの?」
「うん。俺は飲まなくても平気です」
「そっか…。
でも俺も、陽泉を乗せるのに飲まないから」
「分かりました。
じゃあ、姉ちゃんをお願いします」

なぜか当の私を無視して裕介と郁海で繰り広げられた会話。

私は裕介の車に乗り込んだ。
そのまま、裕介のアパートへ向かって走る。
15分ほどでアパートについた。

彼が大学入学から1 人暮らしをしているアパートは知っていたが、部屋に入るのは初めてだ。
「お邪魔します」
と玄関に靴を揃え、部屋に上がらせてもらう。
1DKの部屋は、男性の1人暮らしにしては片付いてると思う。

「…狭くてゴメン。
今、コーヒー挽れるから適当に座って待ってて。
ヒナは甘いのだよね」
裕介はそう言って、コーヒー·砂糖·ミルクが1袋になったものをカップに入れてお湯を注いだ。
それをテーブルに持ってきてくれた。

「さぁ夕食を食べよう」

彼の夕食は炒飯とカップ麺だ。

「「いただきます」」
と手を合わせて、私たちは食べはじめた。
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