笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
冷蔵庫を確認して、夕飯の買い物に出掛けた。
メニューは郁海の意見を取り入れて、酢豚に春巻き·卵スープに決めた。

買ってきたブロック肉を1口の大きさに切り、下味をつけておく。
そうして、しばらくボーッとして過ごした。
昨夜から今日にかけて、いろんなことがありすぎて頭がついていかない。
そして、考えることを拒否している。
バスケアニメのビデオを見ていたが、内容は全く入っていなかった。

夕食を作るときは、さすがに集中した。包丁と油を使うのでケガだけはしないように。
料理はわりと好きな方だけど、こうしてキッチンにたつのは久しぶりだ。
それでも、酢豚も春巻きも卵スープも、上手く出来たと思う。
それに炊きたてのご飯·水菜とトマトのサラダを加えて完成だ。
出来上がった7時には、全員が揃っていて、みんなで食卓を囲んだ。
話題は私の朝帰り…ではなく、拓海の試合。
地区大会の3回戦だけど、4Qの途中から拓海を温存する展開だったらしい。

「そうそう。
田村さんが、明日はスコアラーとして姉ちゃんにベンチに入ってほしいって言ってた。
なんでも愛美さんが、式の打ち合わせがあって、どうしても来れないんだって。
ちゃんと登録もしてあるから大丈夫だって。
愛美さんからも、姉ちゃんに連絡するって言ってたよ」
郁海に言われた。
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