笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「うん、分かった。
愛美先輩からも、メール届いてた。
田村さんにも連絡して、間に合うようにちゃんと行くから」
そう答えて、食べた食器を下げた。

「陽泉、夕飯作ってくれてありがとうね。
片付けは母さんがやるからいいわ。
あと、成人したからお酒は飲んでもいいけど、お友達や周りの人に迷惑はかけないようにしてね」
母さんから、お小言をいただいてしまった。

その日はお風呂に入ると早めに寝て、翌日は6時に起きて、試合に持っていくお弁当を作った。
梅干しとおかかのおにぎりに、おかずはウインナーに卵焼き·ブロッコリーにミニトマト。
それを、家族5人分。
今日は父さんも応援に来るらしい。
拓海と父さん·母さんは体育館に集合してから、私と郁海は直接会場に向かった。

第1試合が始まるのは9時から。
会場が開くのは8時半。
拓海たちの試合は10時から。
私と郁海は、9時前には会場についた。

3面あるコートでは、それぞれのチームがアップしていた。
私たちは、本部に田村さんの姿を見つけて挨拶に行く。

「おはようございます」
「おはよう陽泉。
今日はわざわざすまないな」
「いえ、大丈夫です。
もともと拓海の応援には来るつもりだったので」
「そうか」
「それに…。もう来週ですもんね、結婚式」
私はちょっと冷やかすように言ってみた。
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