笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
選抜チームのスローインで、 2Qがはじまる。
7番の選手から拓海にパスが渡る。
すぐにリターンパスを出し、ゴール前に走り込む拓海。
それに合わせてパスを出したが、タイミングがズレてボールはラインの外へ…

「選抜チームでの練習時間が少なかったからね」

愛美先輩の言葉通り、今回、選抜の練習は2回ほどだった。
チームメイトと今のプレイをしていたら、確実に拓海にパスが渡り、ゴールを決めていただろう。
…これが選抜チームの難しいところ。

心配した通り、なかなか息が合わずパスが繋がらないことが、2Qはけっこうあった。
結果、前半終わって22対17と点差が広がった。

5分のハーフタイムを挟んで後半が始まる。
3Qのメンバーに拓海は入っていなかった。
試合は一進一退で34対30で4Qに入る。

4Qには拓海が出場する。
「ここに勝負をかけるみたいね」
4Qのメンバーを見て愛美先輩が呟く。
その声に私と郁海が愛美先輩を見ると、
「…みんな、南小学校のメンバーなの。連携がとれているし、拓海くんのプレイがより引き立つわよ。
期待していいと思う」
と、説明してくれる。

そして4Qは、愛美先輩が言った通りの展開になった。



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