笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
遠い未来には、"好きな人と結婚して、幸せな家庭を築きたい"と言う夢はある。
しかし、愛美先輩の次に花嫁になるなんて図々しい考えはない。
愛美先輩は、トス位置にスタンバイしながら私を振り返り、"陽泉は出ないの?"と視線を送ってくる。
それに対しても私は、首を横に振る。
そんな私を見かねた田村さんが、わざわざ私の隣まで来た。
そして小声で言う。
「陽泉。
愛美のブーケは、陽泉に受け取ってほしいって、ずっと言ってるんだ。
だから、もらったやってくれないか?」
そう言われたら、受け取るしかない。
「…分かりました」
そう答えて、一番端っこに並んだ。
そんな私を、愛美先輩は笑顔で見た。
そして、
「…じゃあ投げます!」
そう言うと、ブーケを空高く投げた。
参列者が見守るブーケの行方。
それは、一直線に列の隅っこにいた私の腕の中に落ちて来た。
それをそのまま受け取ると、周りから拍手が起きる。
注目を浴びて恥ずかしくなった私は、周りに1礼すると、佐々木くん·郁海の元へと戻った。
「参列者の皆さま、ありがとうございました。
これにて挙式の方は終了となります。
尚、披露宴の方は、当ホテルの"紫陽花"にて11時30分から行います」
司会者の案内により、みんなが雑談しながらホテルへと歩き出した。
しかし、愛美先輩の次に花嫁になるなんて図々しい考えはない。
愛美先輩は、トス位置にスタンバイしながら私を振り返り、"陽泉は出ないの?"と視線を送ってくる。
それに対しても私は、首を横に振る。
そんな私を見かねた田村さんが、わざわざ私の隣まで来た。
そして小声で言う。
「陽泉。
愛美のブーケは、陽泉に受け取ってほしいって、ずっと言ってるんだ。
だから、もらったやってくれないか?」
そう言われたら、受け取るしかない。
「…分かりました」
そう答えて、一番端っこに並んだ。
そんな私を、愛美先輩は笑顔で見た。
そして、
「…じゃあ投げます!」
そう言うと、ブーケを空高く投げた。
参列者が見守るブーケの行方。
それは、一直線に列の隅っこにいた私の腕の中に落ちて来た。
それをそのまま受け取ると、周りから拍手が起きる。
注目を浴びて恥ずかしくなった私は、周りに1礼すると、佐々木くん·郁海の元へと戻った。
「参列者の皆さま、ありがとうございました。
これにて挙式の方は終了となります。
尚、披露宴の方は、当ホテルの"紫陽花"にて11時30分から行います」
司会者の案内により、みんなが雑談しながらホテルへと歩き出した。