笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「……………」
「……………」
「もちろん、2人の気持ちがあるから、俺たちには何も出来ないけど。
まぁどんな形でも、稜と陽泉が幸せになってくれればいいから」
「……………」
「……………」
「おぉー。新郎さまは、カッコイイこといいますねぇ」
「……………」
「さぁて。せっかくのご馳走、しっかり食べようぜ!
稜。そっちにあるパスタ取ってきて。
陽泉は、デザートあるから、愛美に持ってきてやれば?
あぁ!愛美にやらないで陽泉が自分で全部食べてもいいけど」
最後は原田さんが茶化して、話しは終わりになった。

私はたくさんのデザートの中から、フルーツヨーグルトパフェを2つ作ってもらい、1つを愛美先輩に運んだ。
もう1つは、自分の席で食べた。

それからしばらくして、愛美先輩はお色直しのために中座した。
登場したときは田村さんと一緒で、そのままキャンドルサービスに回る。
今度の愛美先輩は、レモンイエローの膝上のミニドレス。かわいらしい愛美先輩に、すごく似合っていた。

田村さんと愛美先輩によって、各テーブルのキャンドルに火が点る。
…しかし、私たちのテーブルには、なかなか点かない。…点くとすぐに、原田さんが吹き消してしまうから。
係の人に睨まれて、さすがの彼も、4回目は止めたけど。

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