笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
だから、今、ここで会ってしまったことに戸惑っている。
そして、祐介との温度差にも違和感がある。

「これから時間ある?
この間のこと、話しがしたいんだ」
「……………」
「この1週間、全然ヒナから連絡こないし…」
「……………」
「……せっかくここで会えたんだし、俺の話しを聞いてから、ヒナが答えを出しても遅くないと思う」
「……………」
「俺と2人がイヤなら、郁海や佐々木さんも一緒でいいから」
「……………」

私が返答に困っていると
「お~い、祐介!」
と声がかかって、10人位がエレベーターホールから歩いてきた。

「今日はサークルで、ホテルのランチバイキングに来たんだ。
ヒナは?
そのワンピース姿、すごく綺麗だけど」
「……………」
「…俺たちは、バスケット関係の先輩の結婚式。
だから、稜さんも一緒なの!」
「…そう…なんだ」
私の代わりに郁海が説明してくれた。

そのうちに、祐介のサークルのメンバーが近づいてきて、代表の人が祐介に
「これからどうする?」と声をかける。

祐介は
「あぁ。俺は偶然、彼女と会ったから、悪いけどこっから別行動で」
あっさりと言う。

すると、
「えっ?祐介先輩の彼女って、美咲さんじゃないんですか?」
そんな声が聞こえた。



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