太陽と向日葵〜夏の思い出〜
第一章

-記憶-


「雫ー!ほら、雫もおいでよ!」

友達の真帆が私を呼んでいる。

「今いくー!」

今、私達は真帆の親戚の家に泊まりに来ている。

そこは私達が住む街とは大分離れてはいるけれど、家の近くに海や山があり、自然が豊かな街だ。

今は真帆と海に遊びに来ている。

「ねぇ、雫!見て見て!」

「ん?どうしたの真帆?」

「ほら、すごく綺麗な貝殻見つけたの!」

「わぁ…、ほんとにすごく綺麗だね!」

真帆が見つけた貝殻は太陽の光が反射してキラキラと輝いている。

「この街はほんといいところだね。」

改めてそう思う。

この街はとても心が落ち着く。

「よかった、気に入ってくれたみたいで」

真帆が嬉しそうに笑う。

「うん、すごく気に入った。また、来年も一緒に遊びに来よう!」

「うん、また来よう!」

この美しい街はきっと何度来ても飽きることはないだろう。

「あ、そうだ!雫、今日の夜の花火大会ね、ここの友達も来るから。」

「え、そうなの!?」

「うん!男友達が2人くるから、よろしくね!」

「うん、わかった。」

「さすがにさぁ…そろそろ恋愛しな?次の恋探さなきゃっ!」

「うん、わかってるよ。」

そう、わかってはいるんだ…

でもね、また裏切られるんじゃないかって心のどこかで怯えてる自分がいる。

「この間のは相手が悪かったんだよ。」

「そうだよね…」

「うん、浮気しておいてあんな振り方…。大事な雫を傷付けるなんて…。私はあいつを許さない。」

「ありがとうね。真帆。」

「いえいえ!だって私達、親友でしょ?」

「うん!」

本当、真帆には助けられてばっかりだ。

本当、真帆には感謝している。

「さて、そろそろ家に帰って準備しよっか」

「うん、そーだね」

もう、海に夕日が沈みかけている。

「綺麗だね…」

水面に反射したとても光は眩しい

でも、とても美しい。

「だよね、私、この景色好きなんだぁ」

「うん、わかるよ。とても綺麗。」

沈んでゆく夕日を眺めていると

切なくも心が温まる気分になる。

「さて、行こっか。」

「うん、そーだね。」
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