ハナとナナ。

「着いたよ!」


さっきの溜まり場から少し歩いたところにある借家で親と二人で暮らしてる。

父親はどっか逃げてったからね。


「ナナの家に比べたらめちゃくちゃ狭いけど」


「全然!あたしはこっちの方が好き」


ニコニコ笑ってるところを見ると益々可愛いと思った。


いーなぁ。ハナも可愛くなりてぇ。外国人セレブみたいな。


「おじゃまします」


「親寝てるけど気にしないで」


「わかった!」


ハナの部屋に入るとナナがびっくりした顔をした。


「凄い!可愛い~」


ヒョウ柄のベッドや赤いソファーを見て目をキラキラさせてる。


「そうか?」


「うん!あたしの部屋なんてこんなんだもん」



って言ってスマホを出した。


「わぁお。薄ピンクがたくさん」


「この紅茶とかテーブル趣味じゃなかったんだよねぇ」


はぁ。とため息をついて落ち込んだかと思うと


「だから、この部屋大好き!」


いきなり笑顔になったり。


やっぱこいつ面白い。
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