さくら
やさしいひとたちなので、きっとさくらこをたすけてくれるからね」
平仮名だらけの手紙の最後には、後藤家の連絡先。
桜子はボロボロになるまで読み返し持っていたのだろうか?
カタン・・・・・リビングの扉が控え目に開けられた。藤子の用意しておいたパジャマは少し大きかったようで手足の部分を折り返している。
「お風呂・・・・・ありがとうございました」
おずおずと部屋に入ってくる。
藤子が腰を落として桜子と目線を合わせ、手紙を手に握らせた。
「ごめんね、ママのお手紙読ませてもらった。お守りにしてたの?」
桜子がこくんとうなづく。
「いつもポケットに入れてたの。そしたら施設の先生が見せてって・・・・・」
「そう・・・・・」