さくら


「もうそんなになるかー。オレが遊びに行ってた頃はまだ小学生やったやろ」

「はい。よく遊んでいただきました」

「そうやったなあ。オフクロさんにはウマいものいっぱい食べさせてもらったし」

あの頃は藤子が元気で、志信が連れてきた友達にいっぱいお料理を作って出していたことを思い出す。あれからまだ3、4年しかたっていないのに・・・・・。桜子は胸が塞がれるような思いを抱いてしまう。

「ここにいるはずやで」
ドアを開けてくれた朝倉の後ろから覗くと、白衣を着た人達の中で一際高い身長が目に入る。


声をかけようとした桜子が固まる。


志信に寄り添うようにいる綺麗な女の人。笑い合う2人の空気が恋人のそれに見える。

「おチビ?」
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