さくら
嫌だ・・・・・・・・・・
嫌だーーーーーー!
置いて行かないで
もっと傍にいて
逝ってしまわないでーーーーー!
桜子は皆が寝静まった深夜、毎晩布団をかぶって一人泣く。そうしたら明日また笑えるから。
その日もひとり声を押し殺して泣いていたら、布団がそっと捲られた。
「やっぱり泣いてたか」
「しーちゃん・・・・・・・・・・」
身体の下に腕を入れられ抱き上げられ、そのまま志信のベッドに連れて行かれる。
「久しぶりやな、こうやって桜子をオレのベッドまで運んでくるの」
小学生の頃は、夢でうなされたり、雷や風の音が怖くて泣いていると志信が自分のベッドまで運んで一緒に寝てくれた。
「しーちゃん、わたしもう16歳になったのに・・・・・」
思わず泣き笑いになる。