さくら
「長いこと留守にしてましたけど、今朝戻ってきました」
「ホンマにねえ、ボランティアかなんだか知らないけれど、もう少し早く帰ってきて欲しかったわ。赤の他人に父親の世話をさせて、お金のことも任せっきりなんて・・・・・」
そう言って広げられたノートを志信の方に差し出した。
「家計簿・・・・・?」
志信が手にとって訝しげに聞く。
「聡志さん、全て桜子さんに預けてやりくりさせてたって聞いてびっくりしたのよ。こうやって月に一度わたしがチェックしておかしな使い方してないかチェックしてるからいいようなものの何かあったらどうするつもり?」
家計簿のチェック・・・・・?
カッと頭に血が上った。桜子がダメだと言うように小さく首を横にふる。