さくら
「そうですよ。これでもモテるんやから。明日お嫁に行くって言っても驚かんといてね」
出来るだけ軽くかわしているように見せるために志信にあっかんべーをする。
神様
もう潮時ですよね。
これ以上、「兄」の顔しか見せてくれない志信のことを想うのはやめて、恋をしようと思います。
相手が朝倉さんかどうかはわからないけれど、優しい気持ちでいられる誰かを探して、この家を出ていく準備をしていきます。
「お茶のお代わり入れてきますね」
微かに潤んでしまった瞳に気付かれないように、桜子はすっと立ってキッチンへ向かった。
「そうや、桜ちゃん。もう暫くしたら多分僕の友達が何日か泊まりにくるから」
「わかりました。食事とかリクエストがあったら言ってくださいね」