悪役王子と女子高生
「それじゃ俺たちも川はいる?」
隼真さんの手慣れた手つきでテントの組み立てを終え、荷物もまとめて一段落ついたところでそう伺ってくる。
普通はせっかくここまできたんだし、みんなと楽しくあそんだほうがいいとおもうのだが…。
「いやわたしは川は少し苦手なので…ここでくつろいでますね」
そういいながらわたしはテントのなかに座り込む。
小さい頃川の近くで遊んでいた時、親がみてないすきに興味本意で川に入ってしまい溺れて意識を失ったことがある。
大人にとっては浅い川だったのですぐに助けてもらったが、いまでもちょっと怖かったりする。
そんな私を見かねて隼真さんは…。
「じゃ俺も」
私のとなりにストンと腰を下ろした。
と、となりに隼真さんがす、座った…!?
ちかいよぉ!!
テントがすこしちいさいせいでくっつきそうなくらいにちかい。
「きをつかわなくていいんですよ!」
「いや俺もあんまりぬれるのすきじゃないからここいるよ。俺達ここにきた意味!って感じだけどな!」
「そーですね…。」
そういいながらくすっとわらいをこぼす隼真さんをみてわたしは思わずドキッとしてしまう。
イケメンにこんなちかい距離で微笑みかけられたらだれだってそーなるよね…。
「きゃあ!やだっ!隼真っ美玲の肩に虫がぁっ!」
「ちょっ、取ってやるからじっとしてろ」
そう悲鳴をあげでかけよってきたのはさっきまで川で遊んでた笹倉美玲(ささくら みれい)ちゃん。
明るい茶髪に