悪役王子と女子高生
……。
「……なさい…!…起きなさい!」
「…んー…」
誰?
お母さん?
からだをゆらされ、うっすらと目をあける。
するとそこには。
「よかったわぁ…。死んでしまったのかと思った!」
「…えっと………」
見知らぬ男の人(?)がいた。
だが、不思議なことがあった。
男の人(?)の服は中世ヨーロッパ時代の町人Aさんみたいなコスプレ風の服で、腰に剣をかけているのでまるで不審者みたいだ。
「あら…?そんなじっと見つめてなあに?」
見た目はひとつに結んだ少し長い髪に身長はでかく、男だ。
なのに、仕草や言葉遣いはまるど女性。
こ、このひと…オカマさん?
「うふふ、そんなに見つめられたら照れちゃうじゃない…!」
私はそれについてはふれないでおこうと心の中できめた。
「あっそういえば…!」
私はすっかり忘れていた美麗ちゃんのことを思い出す。
そしてからだを起こそうとすると。
「…痛っ……!」
「そりゃ痛いでしょうね…そんな傷ばっかつけて……。まったく女の子だっていうのになにがあったの?」
私をオカマさんは心配してくれる。
「こんな私の傷より…、他に女の子を見ませんでしたか!?その子肩に傷をおっていて…」
私はオカマさんの腕をつかみ、不安に聞く。
もし、美麗ちゃんになにかってしまっては私の責任だ。
「女の子…?………あなたしか私はみてないわ」
「え?...」