悪役王子と女子高生

―――ズキッ。



「痛っ」



今まで気にしていなかった足の傷がとたんに痛み始めた。

私はその場にしゃがみこむ。


…このまま眠りに落ちて、目が覚めればきっとそこはお母さんとお父さんがまつ家のはず。

それなら―――。




「…………………君ー??そんなとこで寝たらおそわらちゃうよー」



目を閉じ、意識が朦朧としていた時。

突然の男の人の声が聞こえ目を開ける。

するとそこには金髪で瞳がブルーの美少年が私に顔をのぞき込むようにたっていた。

私をみるなり彼は驚いた表情をした。



「うわぁ…、こんな髪色に瞳はじめてみた!」


 
はじめて…?

日本にはこれが当たり前のようにいっぱいいるのに。



「君異国の人?」


「異国…」



そうだった。

こっちの人たちから見れば私は外人なんだ。

当然涙があふれてくる。



「私の家は…どこ?帰りたい!」


「…え…ちょ!」



小さな子供のように泣く私にどうしたらいいか困る男の人。

泣き止みたくても涙がとまらない。


 
「…家に帰してっ……」


「んーー…迷子かぁ。」



私のために悩む男の人。


そんな時。



「あっ!!!やっと見つけたわぁ!!」



聞き覚えのある声。

振り替えると……。



「んもぉ、急に家を飛び出すんだもの。心配したわ」



あのオカマさんだ。

私をおいかけてきてくれたんだ。



「あーよかった!知り合いの人が来たみたいだね。」



男の人はほっと安心するように微笑んだ。

正直困らせてしまいとても申し訳ない。

と、その時。



「……………ってきゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」



突然オカマさんは近寄ってきて、男の人をみるなり、大声をあげた。

目を大きくさせ驚いている。


…な、なに?


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