終わる日のこと。
「親父っ……畜生!!」
庵が、お父さんに飛びかかる。
腕力では、もう庵はお父さんと互角。
必死でお父さんを止めながら、「姉ちゃん、逃げろ!!」と叫ぶ。
でも。
それが、庵の最後の言葉。
お父さんは、迷うことなく庵を刺す。
腕力では負けなかった。
ただ、お父さんにあって、庵に無かったもの。
それは、「憎しみ」。
お父さんには、憎しみという武器があったんだ。
そんな卑怯な武器を持つことなく、私を守ろうとしてくれた庵。
私、庵のお姉ちゃんになれて、幸せだったよ。
ありがとう……。