こんなお葬式【長篇】
買収発表後しばらくは変な人間関係が生まれ何とも妙な感じではあったが、買収前から親しくしていた事と、下請けの事情や想いをお互いに分かるだけに、献茶さんには常に良くしてもらっていた。

そんな理由から、僕が葬儀の仕事をするようになってからも当時のままの仲良い関係が続いていたのである。


僕は葬儀の基本的な流れは、仕出屋勤務時に覚えていた。

もちろん、精進落としの意味合いは、葬儀社よりもよく知っていた。

あくまでも昼食の延長でしか考えていない葬儀社や当家さんに、腹立たしい感情を持った事もあった。


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