こんなお葬式【長篇】
病室のベッドからストレッチャーへの移動は、一番始めにそのご遺体に手を触れる瞬間である。
僕らは揃って手を合わした。
一人が頭に、もう一人が下半身に手を入れ、小さく合いの手を入れながら一気に隣のストレッチャーへ。
やはり死後硬直が始まっている為、足は伸びたままだ……。
手は死亡時の病院側の処置の為、胸元で指を絡ませ、紐で縛っている。
老人で闘病後のご遺体は、ほとんどが痩せこけ、重みはさして感じない。
人は人生を費やし、様々な見えない重みを増やし積み上げ、
一方で、生き様の重みの数だけ、身は軽くして行く……。
ストレッチャーへ乗せ終え、乱れた浴衣を丁寧に整える。
専用の布団で体を覆い、再び手を合わし一礼した。
おばあさんは、動作の一つ一つを“何が起こるのか”というような目で、心配そうに見ていた。
僕らは揃って手を合わした。
一人が頭に、もう一人が下半身に手を入れ、小さく合いの手を入れながら一気に隣のストレッチャーへ。
やはり死後硬直が始まっている為、足は伸びたままだ……。
手は死亡時の病院側の処置の為、胸元で指を絡ませ、紐で縛っている。
老人で闘病後のご遺体は、ほとんどが痩せこけ、重みはさして感じない。
人は人生を費やし、様々な見えない重みを増やし積み上げ、
一方で、生き様の重みの数だけ、身は軽くして行く……。
ストレッチャーへ乗せ終え、乱れた浴衣を丁寧に整える。
専用の布団で体を覆い、再び手を合わし一礼した。
おばあさんは、動作の一つ一つを“何が起こるのか”というような目で、心配そうに見ていた。