こんなお葬式【長篇】
骨上げ時間を確認後、僕達は車に乗り込み帰路に着いた。

おばあさんは何も言わずに、ただちょこんとシートに腰掛け、遠くの空を見ている。

いたたまれない気持ちの僕は、同僚の言葉通り商店街へと車を走らせていた。

─お昼ご飯はどうされますか?良ければ商店街に寄りますからお弁当でも買われますか?

隣で同僚の彼女も相槌を打つ。

─そうですよ お部屋は夕方まで使えるんやし、ゆっくりされたらどうですか?



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