こんなお葬式【長篇】
おばあさんの人柄は出会って数分、程良く確信に変わって行く。

一番近い身内の死。
その不安と、悲しみ、看病の疲れ。

十二分に疲労を重ね、さらに死後訪れる不安と戸惑いの波に溺れそうになりながら、気を使いすぎるくらい使っている様が物語る。


ご遺体を運ぶ搬送車は、ミニバンを改造して仕様を組んだものだ。

後部座席右側がストレッチャー用に座席を取り外してレールが敷いてあり、左側は親族用に、中、最後部座席を残してある。

僕は左側のスライドドアを開け、おばあさんを中へ案内した。

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