こんなお葬式【長篇】
─あの……お葬式はおいくら位で出来るんやろうか。あの……恥ずかしいお話なんやけど、あまり手元にお金がなくて……。今すぐにお支払いしないとあかんのでしょうね。

不安気に、しかし沢山言葉を使いながらおばあさんは懸命に続ける……。

─今、手元にあるのが20万なんです。明日すぐに残りを用意しようと思って、知り合いに頼んでるんやけど……。お花を添えるだけでいいんです……。」

懸命なその言葉にはかたくな想いがあった。

いや……そう感じる言葉だった。


< 23 / 257 >

この作品をシェア

pagetop