こんなお葬式【長篇】
ヨタヨタと坂道を上がる後ろ姿が曲がり道で見えなくなるころ、小雨がほんの少し強くなりだした。

僕は、自分のミスと雨に少し気持ちを痛めながら、

(大丈夫かな……傘がなくてもこれくらいやったら……。家に着いたら傘もあるやろうし。)

そう、心の中で誤魔化すしかなかった。

少し罪悪感にも似た気持ちになりながらも、僕は徹夜の眠気を我慢しきれず座ったままで少し眠りに落ちそうになっていた。


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