こんなお葬式【長篇】
ふとうたた寝から気付いた時には、軽く30分程の時間が過ぎていた。

(やばいな……寝てしまった。まだ戻って来てなくて良かった……。)

動揺しながらも眠気を抑えつつ、

(いったい何を忘れたんやろう……。)

等と考えながらふと外を見ると、先程よりも雨が強くなっている。

(ほん振りになる前に帰りたいな……。)

さらに待つこと15分。
坂の上におばあさんの姿が見えた。

手には傘を持っている。が、さしてはおらず、一緒に両手一杯に紙袋をぶら下げているのが見える。


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