こんなお葬式【長篇】
しばらくすると、同僚の女性スタッフが別の通夜式の司会を終えて顔を出した。
─こんばんわぁ。一緒に仕事してる者なんですけど、お焼香あげさせてもらってもいいですかっ?
通夜であれ、告別式であれ、司会と云うものは集中力が必要である。
事が事なだけに、僅かな間違いもゆるされない。
今終えたばかりの仕事で疲れているであろう彼女は、それでも明るく振る舞い部屋の空気を和ませてくれた。
結局、部長やおとうちゃん、他の同僚等も顔を出してくれ、その度におばあさんは嬉しそうにお辞儀をしながら迎えた。
隣で一緒にお辞儀をしながら、何度もおじいさんの棺に目をやるおばあさんを、僕は黙って見ていた。
─こんばんわぁ。一緒に仕事してる者なんですけど、お焼香あげさせてもらってもいいですかっ?
通夜であれ、告別式であれ、司会と云うものは集中力が必要である。
事が事なだけに、僅かな間違いもゆるされない。
今終えたばかりの仕事で疲れているであろう彼女は、それでも明るく振る舞い部屋の空気を和ませてくれた。
結局、部長やおとうちゃん、他の同僚等も顔を出してくれ、その度におばあさんは嬉しそうにお辞儀をしながら迎えた。
隣で一緒にお辞儀をしながら、何度もおじいさんの棺に目をやるおばあさんを、僕は黙って見ていた。