しろいこい
彼の手

置き去り

真新しい制服に身を包み、一番乗りに真っ白なペンキ塗りの教室に入った。
そこには真っ白な細くてすらっとしたメガネの男と、ファンデーションで真っ白なメガネのおばさんが、わたしに待ってましたと言わんばかりの目をして待っていた。
「お名前は?」
厚塗りファンデーションのメガネおばさんが、わたしの顔を見上げた。
「楢崎 京です。」
「出席番号は?」
「25番です」
「はい、右から2番目の列の、一番前の席になります」
と、厚塗りメガネおばさんは、私を指定席に案内した。
楢崎さん、一番乗りよ〜、素晴らしいわぁ。と、厚塗りメガネおばさんは嬉しそうだった。
色白メガネもやしも、目を細めて私を見ていた。
センターわけの髪型が、よけい彼の顔を老けた顔に仕立てていた。
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