LOVE School LifeⅢ
なーんだ。聞くだけ?簡単じゃん!って思った自分をぶん殴りたくなるほどに、それは辛かった。
考えて欲しい。
両親の馴れ初めから、プロポーズの言葉まで延々と語られるって事を。
思い出しただけでも鳥肌が立つ。
ああ、今母親の顔見たら暴言吐くかも。
苦笑しながら私は玄関の扉を開く。
力のない「ただいまー」を言いながら、靴を脱いでいた私は玄関にあるそれに気付いた。
……え?ローファー?
サイズから見て、男物。大きい。
誰だ?お父さんの革靴はこんなんじゃない。
確かにこれはローファーだ。
まじまじと自分の家の玄関にあるローファーを私は見つめた。
すると。
「あ、愛ー、帰って来たの?」
リビングからそんな母親の声がした。
「お母さん、誰かいるのー?」
すぐに返事はない。
家に上がると、私はリビングへと向かう。
シゲか?いや、シゲローファー履いてなかったんだよな。
つか、この家知らないし。
誰か知ってたっけ。
……あ。ここの家を知ってるヤツ。一人いるじゃん。