LOVE School LifeⅢ
「泣かないで」
「……っ」
「笑って。俺、愛ちゃんの笑顔が大好き」
どうしたら、そんな事言われて涙を流さずにいられるんだ。
だけど、無理矢理笑顔を作ってみた。
そんな私の顔を見て秋人は目を真ん丸にしてから、おかしそうにクスクスと笑った。
「愛ちゃん。ありがとう」
「……何が」
「姉貴にもちゃんと整理させてくれて。姉貴の事考えてくれたんでしょ」
「……」
「自分の事よりも、他人を優先する愛ちゃんの事、愛しくてしょうがないよ。
あのさ。…ぎゅってしてもいい?」
少し上目遣いで言う秋人。
私は涙を拭いながら笑った。
「……ダメ」
「ええー、無理です。します」
「え、ちょ」
頬を撫でていた手をぐっと頭の後ろに回して、自分の方へと引き寄せる。
ぼふっと秋人の胸元に頬があたった。
抵抗する暇もなく、秋人の腕の中に収まった私。