LOVE School LifeⅢ
「俺、母親いないじゃん?だから、やっぱり憧れる。
何気ない会話とか、愛されてるなって瞬間見たりすると」
「秋人…」
「俺はもう家族の愛情ってモノを貰えないからさ」
「じゃあ、私があげるから!」
「……え?」
秋人はポカンとした表情で、私を見ている。
「私が家族になるから!だから、そうしたら愛情とか感じられるでしょ?」
大きく目を見開いた後、秋人は視線を泳がせると顔を赤くしながら口元を手で覆った。
それから、ちらっと私を横目に見ると呟く。
「……愛ちゃん、わかってる?」
「何が」
「それって、めっちゃプロポーズなんですけど」
「は」
「家族、って…夫婦って事じゃないの?」
「……」
自分の言った言葉を頭で反芻しながら、やっと私はとんでもない事を言ってしまった事に気付いた。
いや、だって、秋人が寂しそうだったからそれを解消出来るならって。
深い意味なんて決してなくって、秋人をただ喜ばせたくて。
顔が熱い。
今、きっと私の顔は真っ赤だろう。