LOVE School LifeⅢ
「愛ちゃ~ん」
「ちょ。離して」
「嫌だあああ」
「嫌だが嫌だ!」
死ぬ。窒息死する。もしくは恥ずかしくて、死ぬ。
羞恥死。とかいうの作っちゃうよ。作っちゃうからね。
それから、暫く秋人は腕を緩めなかった。
苦しくて死ぬって言ったら、やっと緩めてくれたけども。
いつの間にか、時間は過ぎていたようで時計を見れば22時過ぎだった。
「はあ、もうちょっと愛ちゃんと一緒にいたいけど。
流石に泊まるのはヤバイから帰る」
「そうだね」
「そこ、少しは引き留めてくれないの」
「だって、一緒に寝たらヤバそうだもん」
「何だよーそれー」
「そのまんまだし」
「全く。愛ちゃんは酷いな」
「あ。でも」
「ん?」
「……寂しかったら泊まりに行くから」
秋人から視線を外しながら、私はぼそっと言った。
麗さんがいなくなって、秋人は今一人だから。
あの、大きくて静かな家に一人だから。
それって、どうしたって寂しい筈だから。