LOVE School LifeⅢ
「いっ、たあ、瞬!?」
「……忘れてたわ」
「は!?忘れてたって何!?」
そう言うと、また部屋から出て行こうとするから秋人が慌てて止めた。
「ちょっとちょっと、急に暴力振ってさよならはおかしいでしょ」
秋人の意見は至極真っ当な意見だとは思うのだけど、瞬はめんどくさそうに振り向く。
何故か蹴られた秋人が悪いかのような態度だ。
「……はあ」
「なんで溜め息!?」
盛大な溜め息を吐くと瞬は肩を竦めた。あまりにも理不尽すぎる。
秋人が何かしたのかもしれないけど、ちょっと秋人に同情してしまう。
質問に答えることなく、瞬は私へと視線を移す。
「で。もういいわけ」
“どっちかが我慢する関係なんて、うまくいかねえんだよ。
どっかで絶対ぶっ壊れる”
“それって、優しさかよ?”
瞬が私にかけてくれた言葉を思い出す。
そして、私は瞬に向かってしっかりと頷いた。それに瞬は満足したように笑って、「また来る」と言って出て行った。
ぽかんとしているのは秋人だ。そりゃそうだ。
ただの蹴られ損だ。