【BL】黒ネコの生き様∥たんぺん∥


僕は階段にはいつくばりながら、屋上のドアを目指した。

埃っぽくて咽せそうになっても、必死に這い上がった。


すりむいて、血が出ても。

打撲で皮膚が変色しても。

踊り場までずり下ろされても。


僕は、這い上がった。


そんな事を続けている僕の中で、ふとある疑問が浮くまでは。




『なぜ這い上がる』


殴り続けられていた方が、体力を消費しなくてすむのに。

誰も助けてなんかくれないのに。

この行動に意味はあるのか。


答えは、NOだ。


「…あれ?

急に大人しくなったね~。
もう諦めたのかなー?」


僕は何をしていたんだ。
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