東京血風録2-緋の試練
霧華を拉致・軟禁していた男は心底、動揺していた。
はずみとはいえ、大事な人質に怪我を負わせてしまった。
辺りをバタバタしながら、意を決した様にアパートを出ようとした。
即ち、現実逃避。
その場から、逃げようとしたのだ。
アパートのドアを思い切り外側に開いて、男は再び驚愕することとなった。
ドアのすぐ外に、摂津秋房が立っていたからである。
携帯電話を耳に当てながら。
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