東京血風録2-緋の試練
病院に向かう途中、ファーストフードで軽めの食事を済ませると、足早になった。
柊一からの電話の内容がそうさせた。
急いていた。
口数も少なかった。
電話の内容はこうだ。
まず、御業の結界に関する書物と文献が見つかったこと。
使用された史実も残っていた。
ただ、30年も前のことであること。
使用者や使用目的を記入する爛がアルにもかかわらず、無記入になっていること。
そして、柊一が最後に告げた一言が、全員の心に闇を落としていたのだ。
欄外に書かれた、たった一言に。
”鬼?”と。