東京血風録2-緋の試練
私立伽藍学園生徒会長室で、伽藍学園生徒会長であり、鬼の王でもある摂津秋房は1人考えていた。
(全く余計なことをしてくれたものだ。計画が台無しじゃないか)
鬼児を取り憑かせた男が勝手にしたことだった。忠誠心が強いと言えば、聞こえはいいが勝手に動き回られるのは、正直ごめん被りたかった。
しかしながら、軟禁した場所もわからなければ、それを捜してどうしようとかは、
考えてなかった。そこは、なるようになればよいと考えていた。
動かない。そう決めた。
京都市伏見区○○寺、本堂脇の部屋に彼はいた。
鳳竜堂柊一。この寺の跡取りで護符使いの浄霊師でもあった。
彼が探し求めているものは、彼が主従関係を結んでいる、王道遥の依頼によるものである。
鬼の王・摂津秋房と王道家、または長野県にある御業の結界(みごうのけっかい)との、関連性を調べるのである。
その手の蔵書が、何千冊とあるのだ。探すのも一苦労である。