東京血風録2-緋の試練
摂津秋房。の元に男からの連絡はまだない。
午後になっていた。
成果。藤堂飛鳥の場合。
何体(?)か、霊に話を持ちかけた。
実際には、話と言うよりも感覚で同調している、という感じか。
話をできるモノもいれば、何の意思もなく漂うモノもいた。話をしても、それが言葉としてではなく感覚的なものであったりして、難儀が強いられた。
そのまま、放っておくのが一番だと思ってはいたが、意に反して暴れてみたり攻撃してくるモノがあれば、浄霊した。
それがまた体力を奪い、思うように成果が上がらなかった。
成果。王道遥の場合。
何度か、ソナー方式の剣を振るっていた。空き地・公園・屋上などである。
その中で判ったことがある。建物・人物・自動車などの区別はつくようになっていた。と言っても、目下受信は伊號丸こと
黒檀の木刀で受けていたので、もし遥がわからない場合でも伊號丸が答えてくれるので、クイズの答え合わせのように、感覚と正解とのズレで、どんどん精度が上がっていったのである。
屋上からの場合だと、より広範囲に届くのと人に会うことがないのが最大の利点だが、建物内への不法侵入に当たるので、根が真面目な遥は活用することを拒んだ。
地道に下をいこうと、木刀を振っていると、ソナー音の中に不思議な感覚を捉えていた。
なんだろう?知っている?などと思案に更けっていると、遥のいる公園に人影が現れた。
人影の姿をみると、詰め襟学生服が筋肉でパンパンである。
藤堂飛鳥であった。