東京血風録2-緋の試練
「不思議なんです!遥さんの気を感じたものでこちらへ向かって来ましたら、遥さん本人がいたと。何か試していらしたのですか?」
藤堂飛鳥が屈託のない顔で云う。
遥は正直やれやれと思ったのだが、口には出さず、経緯を説明した。
「もし、近くに霧華さんがいればそれが分かると云うわけですね。すごい」
本当に感心したようだ。
すると、飛鳥の方から思いもよらぬ提案があった。
それは、自分の行っている霊たちからの情報網と、遥の陣地不背とソナーを組み合わせようというものだった。
陣地不背で霊のいる場所を特定、飛鳥が交渉に向かう。その間遥はソナーで情報収集するという具合に、効率よくしましょうと一方的に決めてしまった。
遥もまんざらではない様子で、その作戦に乗った。
新たな方策で、捜索が始まった。
が、何も手がかりが無いまま、日が落ちてしまった。
怪しまれるのも問題なので、捜索を打ち切った。